「ベネッセ」「ジャストシステム」の批判避けるテレビの“体質”
「大スポンサーだからですよ。ベネッセは『こどもチャレンジ』や『進研ゼミ小学講座』『進研ゼミ中学講座』など10本以上のCMを流している。広告宣伝費だけで年間約140億円も使っています。ジャストシステムも『スマイルゼミ』のCMを現在も放送中。これでは叩けるワケがない。それで、問題追及の矛先が派遣SEや名簿業者ばかりに向いているのです」(放送ジャーナリスト)
■CM垂れ流し
テレビがこんな体たらくだから、ベネッセも楽チンだ。原田泳幸会長兼社長は会見で「情報の持ち出しに社員の関与はない」と威張っていたが、派遣SEがいとも簡単にDBにアクセスできた状況の方が問題だろう。「第三者委員会をつくって調査します」で済む話じゃない。
個人情報の流出問題に詳しい紀藤正樹弁護士はこう言う。
「04年に起きた『ヤフーBB』の個人情報流出問題では、自民党の調査部会に出席したソフトバンクの孫正義社長が法整備の必要性を強調したのに対し、議員から<被害者意識を持つのはいかがなものか><個人情報取扱事業者としての責任を深く認識すべき>と批判が出ていました。今回のケースもよく似ています。セキュリティー対策を怠ったベネッセの管理体制にも問題があるのです」
ジャストシステムだって「ベネッセの顧客情報とは知らずに買った」なんて言っているが、出所不明の個人情報を買うことに問題はないのか。今もCMを流し続けているなんて、反省しているとは思えない。テレビはそれでいいのか。