「赤提灯見るとDNA騒ぐ」 “居酒屋探偵”日野美歌の酒人生
そんなふうに探してると、まさに一期一会といえる出会いがあるんです。
奈良へ行ったときです。たまたま閉店間際の店しかなくて、本来の閉店時間を過ぎても居させてもらったら、そこの女将さんが、時間遅いからとマイカーでホテルへ送ってくれたんです。クルマから降りる際に、名前を言ってお礼を申し上げましたら、その時初めて日野美歌だと気がついたみたいで、たいそう喜んでくれたのです。その翌日、コンサート会場へ行くと、楽屋にその居酒屋さんから立派なイチゴが何種類も差し入れされていました。お礼の電話を差し上げたところ、「せっかく奈良にいらっしゃったんですから、たくさん召し上がって下さい」とご主人。その日は終日楽屋にイチゴの甘い香りが漂い、とても楽しく歌うことができました。
また6月には、5年ぶりに北海道羅臼町へ行きました。羅臼町は有名な羅臼昆布だけでなく、一年を通じて豊富な種類の魚が水揚げされる水産王国。魚がおいしいのは言うまでもありません。
私が楽しみにしていたのが、昆布焼酎。お湯割りでも水割り、ロックでもOKです。昆布は羅臼昆布や上質な昆布で飲むのがお勧め。3センチ×9センチほどの昆布一切れに、お湯割りなら、コップに昆布→焼酎→お湯を注ぎ出来上がり。水割りも同様です。ロックもお湯割りより昆布の出汁の溶け方が遅いですが、意外とジンワリと昆布出汁がきいてまろやかな味わいに。軟らかくなった昆布は、最後に食べちゃいます。
こんな楽しみも全国で私を待っていてくれます。これからどんな出会いがあるのか…。お酒とともにゆっくりと味わいたいですね。