小保方氏ケガの発端 「NHKスペシャル」識者はこう見た
「私が直接(小保方氏に)渡したものではない」と話す元留学生の言葉のあと、「私たちは小保方氏にこうした疑問に対し答えて欲しい」というナレーションは、結果的に“暴走取材”に至った言い訳にもとれたが……。上智大教授の碓井広義氏(メディア論)が言う。
「調査報告と題し、番組最後のクレジットもプロデューサーほか制作者個人の名前も記さなかったことからも、あくまで報道番組として手がけたであろう制作陣の意図を感じます。ただし『不正の深層』と加えることで、NHKの旗幟を鮮明にした。笹井芳樹教授の存在にフォーカスした視点で展開することで、当初は複数の科学誌から掲載を却下されていた論文の変貌を視聴者が理解しやすいようにもなっていた。負傷事故はあるまじき失態ですが、速力のある番組がつくれるのは国内ではNHKをおいて他にはない。取材を蓄積し続報を期待したい」
小保方氏が口を開く日は来るのか。