両親が蒸発…TVで落語を初披露した桂雀々の中2時代

公開日: 更新日:

 それであちこちの素人参加番組に出るようになり、スタッフさんにも顔を覚えていただき、オーディションを受けずに出演できるようになったんです。生活は苦しかったけど、景品やなんやで、たまりにたまった家賃も返済できるようになった。ただ、当時は素人がふざけてるだけで、これといった芸はない。このままじゃあアカンなあ~と思てるときに、景品でもろたラジカセで狸賽を聞き、これやがなと思うて録音。文字に起こして覚えたんです」

 ある日、授業が自習になり、先生から「落語覚えたらしいな。やってみろ」と促され、みんなの前で披露すると大うけ。どんどん自信を深めていった。そして、番組でチャンピオンに。

「気持ちが固まりました。落語会に足を運び、師匠を探しているときに、<あ~、ええ人やな~>と思たんが、ウチの師匠ですわ。<この人のそばにおらしてもろたら、ええなあ~>と思って。調べたら住み込みで内弟子や。『これはありがたい』と駆け込み寺のように飛び込みました」

 99年4月、時代を席巻した枝雀は帰らぬ人となった。今年が17回忌である。

▽かつら・じゃくじゃく 1960年、大阪市住吉区生まれ。1977年に桂枝雀に入門。上方お笑い大賞最優秀技能賞など数多くの賞を受賞。現在は「桂雀々の大判小判がじゃくじゃく~BS12お宝噺~」(BS12土曜20時~)で、気心の知れたゲストから貴重な話を引き出すホスト役を務めている。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大友康平「HOUND DOG」45周年ライブで観客からヤジ! 同い年の仲良しサザン桑田佳祐と比較されがちなワケ

  2. 2

    阪神・西勇輝いよいよ崖っぷち…ベテランの矜持すら見せられず大炎上に藤川監督は強権発動

  3. 3

    歌手・中孝介が銭湯で「やった」こと…不同意性行容疑で現行犯逮捕

  4. 4

    佐々木朗希の足を引っ張りかねない捕手問題…正妻スミスにはメジャー「ワーストクラス」の数字ずらり

  5. 5

    阪神・藤川監督が酔っぱらって口を衝いた打倒巨人「怪気炎」→掲載自粛要請で幻に

  1. 6

    巨人・小林誠司に“再婚相手”見つかった? 阿部監督が思い描く「田中将大復活」への青写真

  2. 7

    早実初等部が慶応幼稚舎に太刀打ちできない「伝統」以外の決定的な差

  3. 8

    「夢の超特急」計画の裏で住民困惑…愛知県春日井市で田んぼ・池・井戸が突然枯れた!

  4. 9

    フジテレビを救うのは経歴ピカピカの社外取締役ではなく“営業の猛者”と呼ばれる女性プロパーか?

  5. 10

    阪神からの戦力外通告「全内幕」…四方八方から《辞めた方が身のためや》と現役続行を反対された