樹木希林が安倍外交にチクリ「大枚持ち各国を訪問しても…」
この日も“キリン節”は健在だった。7日に日本外国特派員協会で行われた「ジャパンデイ プロジェクト」事業発表記者会見。樹木希林(72)はいつものようにエルメスの黒バッグを片手に姿を現し、皮肉(?)交じりにこう挨拶した。
「是枝さん、黒沢さん、三池さん、河瀬さんの全員の監督が来られないということで、私が代わりにまいりました。高齢女優の樹木希林です」
映画、テレビ、アニメ、漫画、音楽、ゲームといった日本のエンターテインメントを世界に発信する同プロジェクト。経産省の金銭的な支援を受け、世界各地で開催される大型イベントで「Made in Japan」を売り込むという。で、今月13日に仏で開かれる「カンヌ国際映画祭」がキックオフとなる。樹木は主演作「あん」(河瀬直美監督、30日公開)と、「海街diary」(是枝裕和監督、6月13日公開)が同映画祭の出品作品であり、“ダイジェスト上映”を行う邦画47作品にも含まれるため、会見に呼ばれたというわけだ。
全身がんであることを公表して2年。だが、休む間もなく芝居を続け、今春だけでも3本の公開作品を控える現役バリバリの実力派女優だ。今回の試みについて、一役者として並々ならぬ思いがあるのだろう。外国人記者が多く集まる中、「役者としてはありがたいけれど、役者の質も(評価に値するものを)備えなければね。そこが問題だと思います」と、日本の役者陣に奮起を促した。