「みゆき」テーマが大ヒット H2O赤塩正樹さん驚異の英語力
「それからも新曲は出したんです。でも、自分たちは自ら作詞・作曲するのがスタイルだったのに、その後はボクらが作った楽曲は採用されなかった。ホント、やりきれなかったですよ」
そんなくすぶっていた時期に持ち込まれたのが、83年3月からスタートした漫画家・あだち充のベストセラーをアニメ化した「みゆき」のテーマ曲「想い出がいっぱい」だった。
「これも阿木耀子さん作詞、鈴木キサブローさん作曲でしたが、出合った瞬間、素晴らしい曲だ、って思いましたね。夏あたりから火がつき、それまで冷たかったテレビ局やラジオ局の対応が手のひらを返すように良くなったのを覚えてます、ハハハ」
50万枚以上のセールスを記録し、一躍人気歌手の仲間入り。しかし、以降が続かず、85年に解散。赤塩さんは音楽や表現力を学ぶためにニューヨーク大学に4年間留学し、帰国してからはフジパシフィック音楽出版専属作曲家として中村雅俊や稲垣潤一に楽曲を提供した。大手芸能事務所アミューズで新人アーティスト発掘に取り組んだこともある。JICAに転職したのはその後だ。
「再結成? 中沢君は熊本在住だし、お互いソロ活動が長い。正直、無理でしょうね。でも、年に1度のツアー公演はアリ、かもしれません」
直木賞作家の辻村深月さんは甥っ子の妻だそうだ。