中村泰士さんの酒流儀 「カッコよく飲む」が「うまい酒」
■週2日の休肝日も流儀
3番目は「グレンモーレンジ18年」。15年間オーク樽で寝かせ、その後30%をオロロソシェリー樽に移して3年間熟成。それらをブレンドした銘酒で、シェリー樽で熟成させるから少し赤みがかり、芳醇で香り高いのが特徴なんだ。
もう一つ挙げるならメーカー出荷が終わり、在庫限りとなった「サントリー響12年」。「響」には17年、21年、30年、他にもプレミアムタイプのラインアップがあって、どれも当然おいしいんだけど、この「12年」は梅酒を漬けた樽で熟成した原酒に、30年以上長期熟成したモルト原酒を加えたのが特徴。独特の華やかなフレーバーと芳醇で重厚な味わいは12年物のレベル以上。梅酒樽熟成原酒がなくなったので販売終了になったのは残念だけど、サントリーの良心ともいえる傑作だね。
実はこれと出合って僕はロックをやめてストレートで飲むようになったんだ。それぞれの店の氷によって、ウイスキーの風味が変わるのが嫌だから。そしてチェーサーは水ではなくペリエ。ツマミは基本的になし。
「ウイスキーのストレートなんて健康に良くない」「水はどんどん飲みなさい」といわれるけど、おかげさまでおふくろが丈夫な体で生んでくれたから、定期健診はいつも異常なし。強いて留意してる点といえば、家飲みはせず、週に2日、休肝日にしてることかな。
これが僕の流儀。これからもバッカスとのひと時、大いに楽しみますよ。