異国ストレスで散財 レスラー真壁刀義のギャラ前借り時代
でも、その金はその後、修業で行ったプエルトリコで全部使った! ストレスがひどくて、試合のギャラじゃ追いつかないくらい食ったんです。孤独だったことに加え、異国暮らしの生活習慣の違いがストレスになって。南国って、約束が約束じゃなくなる。いい加減なんですよ。僕ら日本のプロレス界は「分かりました!」とはっきりしてないと絶対ダメ。でも、プエルトリコのレスラーは「明日×時に待ち合わせな」「OK!」と約束しても全然来ない。2時間遅れて来たりは平気。
僕はルーズだったり言葉遣いがひどいヤツには、カチンときてすぐキレるから。控室とかでホントにたくさんブッ飛ばしたね。ケンカでクビになりました。ある日、ケンカしたらナイフ出してくるヤツがいて、たまたま居合わせた日本人記者が「真壁、ダメだよ!」と止めに入ってきたこともありましたからね。
ストレスがたまって食いまくり、数百万円を全部使っちゃって。そのあとはクレジットカードと会社からの前借り。今じゃ言えないような金額でした。その時期が一番の貧乏。日本に戻って試合を頑張り、全額ちゃんと返しました(笑い)。(聞き手=松野大介)
▽まかべ・とうぎ 本名・真壁伸也。1972年9月神奈川県生まれ。96年新日本プロレス入門。翌年にデビュー。前IWGPタッグ王者。
真壁刀義初の著書「だから、俺はプロレスで夢を追う!」(徳間書店)発売中(店舗により、限定生写真付きの特典あり)。