広瀬すず超えたの声も 杉咲花“W受賞”を評論家はどう見た
第40回日本アカデミー賞授賞式(3日)で華ある女優賞を総ナメにしたのは、「湯を沸かすほどの熱い愛」。主演の宮沢りえ(43)、助演の杉咲花(19)がそれぞれ最優秀に輝いたのだ。
同作は上映館数90で封切られたローバジェットの一本。中野量太監督(43)のオリジナル脚本に魅了されて出演を決めた宮沢は3度目の同賞受賞だが、「アカデミー会員の映画関係者にファンが多く、順当の結果といえるでしょう。最近の彼女は気鋭の監督作品に出演したり、若手俳優との共演も積極的。映画界の人材を育てようという意欲も強くて、第2の吉永小百合の呼び声も高い」(映画ジャーナリストの大高宏雄氏)。
そんな公私ともにノリノリの実力派女優の背中を見て学んだのが、杉咲だ。「お母ちゃん(宮沢)とは血のつながりを超えた関係を築けた気がする」と振り返った彼女の演技について、作家でアイドル評論家の中森明夫氏はこう評価する。
「いじめに立ち向かうため、教室内で下着姿になる迫真の演技は最優秀助演女優賞の決め手のひとつになったのではないでしょうか。しかもこの勝負下着は18歳でヌード写真集『Santa Fe』に挑んだ宮沢りえから託された設定。2人とも同時期に体を張ったわけで運命的なものを感じました。ファニーフェースが魅力の杉咲はアイドル女優が台頭する同世代でひとつ抜きんでましたね」