視聴率低迷の「直虎」を救う 高橋一生と海老蔵のハマリ役
初回視聴率16.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区=以下同)が超えられず、スタートから3カ月、乗りきれない状況が続いているNHK大河「おんな城主 直虎」。直近の第12回(26日放送)も前回から0.8ポイント下落の12.9%というビミョ~な数字に終わったが、巻き返しを期待させる内容であった。
柴咲コウ(35)演じる主人公・次郎法師が名を改め、井伊家の家督を継承。還俗して女城主として戦乱の世を生きる覚悟を決め、「われが、井伊直虎である!」と“極妻”張りに威勢よく宣言する大転換期が描かれた。格好も尼姿から袴姿になり、華やかなビジュアルに。トレードマークとなる個性的な打ち掛けは実母(財前直見)が端切れでこしらえたもので、今川家の支配下にあった小国の厳しい財政を逆手に取ったアイデアを感じさせる衣装だった。
■「ナレ死」は残念だったが……
コラムニストのペリー荻野氏も「いよいよ本筋が描かれる」と今後に期待を寄せるが、26日の放送回で消化不良の要素があったと、こう指摘する。
「前田吟演じる血気盛んなご隠居さまが『ナレ死』だったのは残念でした。何事も戦で決着させようとする戦国武将らしい人物を選んだのだから、いかようにも見せ場をつくれただろうに“謎の死を遂げた”というナレーションだけでさらりと流してしまったのは、もったいなかったですね」