北野誠さん 「残穢」は捨てて帰ろうと思うほど怖かった
■読書のキッカケは嘉門達夫さん
いろいろな本のタイトルがエピソードや内容とともにスラスラと語られる。中身をしっかりと把握していることが分かる。のめり込むと、分厚い単行本も2、3日で読むが、多読ではない。
「読むのは寝る前や移動中ぐらい。複数の本を同時並行で読むことはしません。1冊ずつ買って、1冊ずつ読みます。山手線の広告で見た本をアマゾンで買ったり、紀伊国屋書店のようなデカい本屋で平積みされている中から選んだり。放送作家さんが『面白かった!』とフェイスブックであげてる本を手にとることも多い。芸人仲間が出した本は必ず買って読みます。水道橋博士の『藝人春秋』は最高ですよ!」
読書は、20代に芸人仲間の嘉門達夫(現・嘉門タツオ)に勧められたのがキッカケだ。
「『芸能界でやっていくなら、面白いと話題の本は絶対読んどけ。話が広がるから』と。それで、本屋でいろいろ手に取って読むようになりました。村上龍さんの『愛と幻想のファシズム』にめちゃめちゃハマって本好きに。文体が好きだし、僕の知らなかった世界が描かれています。池井戸潤さん、湊かなえさん、桐野夏生さん……。作家で選ぶことも多いですね。スケジュールを合わせないと見られない映画と違って、本は持って移動できて、空いた時間にパッと読むことができる。その手軽さがよく、活字を追うこと自体が楽しい。楽しいから読むんです」