犯人と勘違いされ…大地康雄“悪役顔で逮捕”の苦い思い出
個性派俳優として数々の映画やドラマで活躍中の大地康雄さん(65)。酒にまつわるエピソードには事欠かない。
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「課長、いました!」
「確保ー!!」
突然ですよ。怒鳴り声とともに、警官2人に両腕を取られたかと思ったら、有無も言わさず近くの交番に連れ込まれました。もちろん私は何も悪いことはしてない。アルバイト先の歌舞伎町のバーに急ぎ足で向かってただけでね。
「何をするんだ!」と叫んだら、「犯人はおまえだろ? 観念しろ」と一喝され、ますます腕を締め上げられて。長野で殺人事件があって「犯人は新宿方面に逃げた」と指令が出ていて、運悪く間違えられたんです。
「俺じゃねえよ」
「嘘をつくな! モンタージュ写真はおまえそっくりなんだよ」
こんな押し問答を小一時間。バイト先の店長を呼び、ようやく解放された時は結構な時間が経ってました。80年代のはじめ、30歳になってしばらくしてのことです。なぜ間違えられたのかというと、人相が悪かったから(笑い)。なんせ、俳優にはなったものの、いただくのは悪役ばかり。それで普段の顔つきまで悪相になっていたんです。