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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。「芸能界」というビジネスは、いかにして始まったのか。貴重な証言を収録した「芸能界誕生」(新潮新書)。伝説の番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」を基に描く青春群像ノンフィクションノベル「史上最大の木曜日 クイズっ子たちの青春記」(双葉社)。2つの最新著が絶賛発売中!

神無月が欲しがる モノマネ芸への賞賛拍手より大事なモノ

公開日: 更新日:

「『うまいんだから、1曲全部歌いなよ』って言われたんですけど、歌い切ってどうなるんだ? と」(神奈月/TBS「オー!!マイ神様!!」2月12日放送)

 神奈月(52)の十八番といえば、井上陽水のモノマネ。ゆっくりと振り返り「気持ち悪いですか?」と一言。出オチだ。デビュー当時は周りから質を求められた。だが、神奈月の考えは違っていた。

 その思いを語ったのが今週の言葉だ。うまいモノマネで歌い切れば、称賛の拍手が起こるかもしれない。けれど、彼が欲しいのは、それではないのだ。

 初めてモノマネをしたのは、小学4、5年生の頃。プロレスラー長州力のモノマネだった。といっても、今よくやられているようなマネではない。何しろ長州はまだデビューしたばかりで、本名の吉田光雄として戦っていたからだ。

 デビュー当時の長州は強い相手とばかり対戦して勝てない。そんな彼が張り手を食らう様子をマネしたのだ。見ていた兄は大爆笑。最初から神奈月のモノマネはお笑い志向だったのだ。

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