私だけが知っている 「16歳」のジャスティン・ビーバー
「もしかして彼のミュージックビデオ!?」と半信半疑のまま撮影を終え、帰り際、彼に話しかけに行くと、「君のこと覚えているよ!」と笑顔でかけ寄って来てくれて「今度初めて日本に行くんだ! 楽しみだよ!!」と撮影をしばし休止して世間話をしてくれました。帰宅して数日たってからふと、彼の名前を友人に尋ねたら、なんと「ジャスティン・ビーバー」だったのです。
16歳のジャスティンは可愛い少年から、セレブリティーになっていました。終始ドキュメンタリーカメラが回り、気が休まる暇はなさそう。そんな現場のピリピリした中でも彼は終始笑顔を忘れず、自然と周りのムードを和やかにしていました。彼のすごいところはこの「天性の愛らしさ」。ゴシップ騒動のようなヤンチャなイメージではなく、大人にこびるわけでもなく、自然のまま魅了する独特のオーラを持っていました。無邪気だけど背中から漂う“色気”や不思議な“ワイルドさ”もあって、大人の女性も母性本能をくすぐられてしまうのです。
撮影中、時折「フーー」と深いため息をついて息抜きをしながら仕事をこなしていたのも記憶に残っています。パパラッチとのトラブルなど最近は日本でも“お騒がせセレブ”のイメージになりつつあるようですが、もしかしたらジャスティンはあまりに早く大人になりすぎたのかもしれません。彼の一挙手一投足で大金が動くようになり、損得勘定のみのイエスマンだけで固められ、人権を無視される。莫大な認知度と引き換えに失うものも大きいのがセレブリティーの宿命なのかもしれません。今後何があってもあの時の無邪気な彼のままでいられますように。
(つづく)