1年間の“お蔵入り”から…映画「一茶」公開へ強力な支援者
「私は3年前に脳出血で倒れ、3日間生死の境をさまよいました。リハビリを続け、おかげさまで仕事に復帰できるまでに回復したんですが、その最中に『一茶』のお蔵入りニュースをテレビで見たんです。飯山市の窮状を知り、『自分が生かされたのには意味があったはずや。ひょっとするとそれは飯山で困っている人らのために、何かしろということかもしれへん』との思いに突き動かされた。それですぐに飯山市の観光局に電話をしました」
「一茶」の脚本を執筆した脚本家の柏田道夫氏は「沖潮開発さんのご厚意で、飯山市の立て替え分だけでも解消できて本当にありがたく思っています。映画は藤沢周平先生の重厚な原作を得て、恵まれたキャストの熱演、監督の命をかけた思いがこもった素晴らしい作品になっています。これが公開できない現状こそが最大の不幸です」。
さらにこう続ける。
「まだまだ負債問題など解消されていませんが、今回の沖潮さんのご厚意は、暗雲に差した一筋の光です。これを契機に、何としても公開の道筋をつけて、たくさんの方に見ていただきたい。まずはご迷惑をかけた飯山での公開を次の目標として、映画『一茶』を世に出したい。それがスタッフ、キャストの望みです」
幼い頃から大の映画好きだったという沖潮社長だが、それだけで、この金額を寄付することはできまい。“スーパーボランティア”の尾畠春夫氏同様、日本もまだまだ捨てたもんじゃない。