体操界の“女帝”塚原千恵子は「ミザリー」の主人公とダブる
塚原千恵子強化本部長もアニーと同じく、日本の体操界と選手への思い入れが強すぎるあまり、パワハラに拍車がかかったのだろうと、この作品を見ると腑に落ちるものがあるのです。人の心は顔に表れると言いますが、アニーの形相は普通のオバサンから最終的に悪魔と変化していくところも作品の見どころ。パワハラ問題の登場人物がみなコワモテで、日大のアメフト部の内田正人元監督と至学館大学の谷岡郁子学長の顔がウリ二つなあたりも何か共通点を感じざるをえません。ちなみに本作でアニーを演じたキャシー・ベイツは鬼気迫る演技でアカデミー賞の主演女優賞を受賞しています。
“体操愛”あり余る塚原千恵子さんには、ぜひ「ミザリー」を見ていただき、過去の自分の行動と言動を客観的に確認しつつ、金メダルを目指す選手たちを温かく、そして冷静に見守っていただければと思います。