榎木孝明さん小5で酒デビュー “大人のジュース”をひと口…

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■酒席が縁で公開にこぎ着けた「半次郎」

 忘れられないのが8年前に公開した映画「半次郎」です。

 僕が企画・主演した作品で、鹿児島出身の幕末の志士・中村半次郎こと桐野利秋が主人公です。構想13年。ロケ地交渉など裏方業務も仕事の合間を縫って、製作も手伝いました。

 しかも、クランクインが見えてきた、ちょうどそんな時に2008年のリーマン・ショック。スポンサーを予定していた企業からキャンセルが相次ぎ、何度も製作断念に迫られました。そんな時に力になってくれたのは、やはり鹿児島の人たちだったんです。そのひとりが鹿児島市生まれの作曲家で、音楽プロデューサーの吉俣良さん。

 吉俣さんは大河ドラマ「篤姫」(08年)、「江~姫たちの戦国~」(11年)の劇伴(映画やドラマなどの伴奏音楽)で知られ、数多くのドラマや映画、CMに楽曲を提供されている売れっ子。ただでさえスケジュールが埋まってるのに「半次郎」の劇伴も担当してもらいました。

 そのきっかけは鹿児島でご一緒した酒席でした。飲み始めたら随分と意気投合しましてね。これ幸い! と酔った勢いも手伝って、「この作品の劇伴はあなたしかいない!」と直談判したんです。そうしたら「わかりました。やりましょう」って二つ返事。飲んでなかったら依頼しようなんて思わなかったでしょうし、その場で即決してくださることもなかったんじゃないでしょうか。これも酒の効用。仕事をうまく進めるには不可欠ですね。

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