高校からの助っ人生活が培った小手伸也の多様な引き出し
バスケットボールをやり、コーラス部で低音パートが足りないと言われれば、行って合唱コンクールに参加。山岳部が人数が足りないとなれば、荷物を背負って槍ケ岳や谷川岳を登った。
生徒会にも参加した。「卒業アルバムを見ると、いろんな部活の集合写真に写っていて。とにかく興味があれば何でもやりました」(同前)と。まさに五十嵐を地で行く神出鬼没っぷりだ。
昨秋の月9ドラマ「SUITS」(フジテレビ)では、いろいろな趣味を持つ役で格闘技などを見事にこなしていた。それは「なんちゃって」演技が得意だからできた、と彼は言うが、高校時代のこうした経験によるものなのかもしれない。
そんな助っ人として参加した先のひとつが演劇部だった。そこに届いたダイレクトメールがきっかけで、劇団「カムカムミニキーナ」の公演を見に行き、早稲田大学の同じサークルで演劇を学びたいと思うようになり、早稲田進学を決めた。
ちなみに、その頃エキストラのバイトもしており、92年の「あの日の僕をさがして」(TBS)に出演。初めて生で見た芸能人が、このドラマの主演・織田裕二だった。その織田と時を経て「SUITS」でライバル役を演じたのだから奇妙な縁だ。