真の「カメレオン俳優」は現場の空気で存在感を変えられる
ところがその一方で、同時期に並行した「必殺仕事人2019」の撮影で僕が京都の撮影所に行った際お会いしたエンケンさんは、初の京都現場で緊張する僕に対して「(他で会うのは)変な感じだね」と笑顔で声をかけてくださったものの、明らかに身にまとうオーラが“ワタオジ”の現場とは違う重力を帯びており、いうなれば「威風堂々」、紛れもなく「時代劇の現場に息づくベテラン」としての遠藤憲一でした。
つまり真の「カメレオン俳優」とは、作品ではなく現場の空気(環境)によって、役ではなく存在感(色)を変化させられる俳優のことではないか、と僕なんかは思ったわけです(画面には映らない要素)。だとしたら、僕はまだまだだなと! 僕の「下積み」に終わりはなさそうです。
【今週の格言】いい役者になるのは簡単じゃない。一人前の男になるのはもっと難しい。終わりが来る前に僕はその両方でありたい。 (byジェームズ・ディーン)