タレント坂本ちゃん 8000万円がスッカラカンも貧乏に恍惚
家具? 必要なものは全部揃ってたわ。冷蔵庫以外、ほとんど拾い物でしたけど。その頃は粗大ゴミの捨て方が厳しくなかったから、夜中に近所をお散歩するとあちこちに転がってたのよね。アパートの住人はお上品に言えば個性的。悪く言うとちょっと社会からズレてる。固定電話を設置したのに不通になるから不思議に思ってたら「僕が電話線を切ってるんです」って人がいたの。それって犯罪じゃない? 怖いから近寄らないようにしてましたけど……。
もちろん生活費はアルバイト頼り。病院の清掃やミシン工場でミシンの梱包……。賄い付きが魅力な飲食店に応募したのは数知れず。でもね、「元気がない」ってぜーんぶ断られましたわ。でも、アルバイトばかりしてたんじゃ役者への夢が遠のいちゃうでしょ? オーディションもあるから出勤は月の半分くらいでしたね。だから月収は10万円以下。1円でも安いスーパーへと自転車でさまよい、お金がない時は生キャベツばかりかじってた。かぐや姫のヒット曲「赤ちょうちん」の世界そのものよ(笑い)。
ところが、手当たり次第受けた劇団のオーディションは全滅。お笑いコンビを組み、今も所属してる浅井企画に辛うじて受け入れていただいたものの、いまひとつパッとしないまま1年余り……。