R-1覇者やまもとまさみ クレープ店オーナーに転身したワケ
それにしても、なぜ飲食店を?
「実は、R―1で優勝したものの、忙しかったのは半年ほど。その後はジリ貧で、イベント司会やライブが月にそれぞれ数回、テレビ・ラジオはパラパラ。正直、生活のために貯金を崩すこともあり、2人の息子を抱えて将来に不安を感じていました。いっそ芸人をやめて実家に帰ろうか、と」
そんな時に知人の紹介で本社の吉田社長と知り合い、3年前に開業を勧められた。
「迷いました。下積み時代に飲食店でアルバイトをしたことはありましたが、経営者になるのとでは大違いですから。それと、『R―1チャンピオンなのに副業?』って陰口も心配で……。決断まで8カ月ほどかかりましたね」
背中を押したのは、子供たちと、交際4カ月で“押せ押せ結婚”した愛妻の笑顔だった。
「生活の安定が家族円満、ネタ作りにも好影響を及ぼすと思いました。それで貯金をはたき、不足分は日本政策金融公庫から借金。17年11月に小田原市内のショッピングモール『ダイナシティ小田原』に小田原店を出店したんです」