「集団左遷」低迷の要因は脚本 タイトルと無関係な内容に
先日、「集団左遷!!」の第1章が終了した。舞台は「半沢直樹」と同じ銀行。主演は男前の福山雅治で、ミスター日曜劇場の香川照之が脇を固めているが、ドラマは一向に盛り上がらないままだ。低迷の要因はストーリーにある。
銀行本部が業績の悪い12支店の廃店と行員のリストラを決めた。支店長たちには「何もするな」と命令が下る。蒲田支店長の片岡(福山)は納得がいかず、責任者の横山常務から「融資100億円を達成したら廃店にはしない」という約束を取り付ける。
片岡を中心に、ひたすら頑張る行員たち。しかし大口融資が決まりそうになると、それが詐欺だったり、横山から横やりが入ったりで、うまくいかない。実はここまで、その繰り返しが続いてきた。結局、廃店とはなったが、リストラは回避できた。これが予定調和に見えてしまうのも、脚本に無理があるからだ。
福山は確かに熱演している。ただ、その熱演が顔面の筋肉体操のような表情作りだったり、拳を握ってリキむ演技だったり、不自然でうっとうしい。これは福山本人ではなく、演出側のミスだろう。先週からの第2章で、片岡は銀行本部の融資部に異動した。さっそく約100億円の融資をめぐって事件が発生。専務に昇格した横山の腹黒ぶりも変わらない。もはやタイトルとは無関係な内容になっているが、奇跡の大逆転を期待したい。