樹木希林「命みじかし、恋せよ乙女」世界デビュー作公開
樹木希林さん(享年75)の9月半ばの一周忌を前に、その遺作にして世界デビュー作となった映画「命みじかし、恋せよ乙女」が公開となる。死後も3本の映画が公開されたり、相次いで出版される本がベストセラーになるなど話題が尽きない中、「命みじかし――」も注目を集めそうだ。
「一般試写会では『改めて希林さんの魅力、存在感に圧倒された』という声が多数上がっています。とりわけ『あなた、生きてるんだから、幸せになんなきゃダメね』というセリフは人生に迷う主人公のみならず、現代を生きる私たち皆に投げかけてくれているようです」と、広報の山崎裕希子さんは言う。
希林さんの役どころは、老舗旅館の女将。アルコール依存症にうつ、家族とのトラウマに苦しむドイツ人男性カール(ゴロ・オイラー)をあたたかく迎え入れて、その背中を押してやる。
出演シーンの撮影は昨年7月、神奈川県茅ケ崎市の茅ケ崎館で行われた。小津安二郎監督が脚本執筆の定宿にしていたことで知られる旅館で、「秋刀魚の味」(1962年)の撮影時、故杉村春子さんの付き人として希林さんは現場入りしていたそうで、その思い出もあって「もう一度茅ケ崎館に行ってみたかった」と話していたという。