ファンにも自分にもウソをつけない早見あかりの正直さ
彼女は自分を偽り、アイドルらしくファンに笑顔を振りまき、愛想のいい対応をすることができなかった。その結果、個別握手会での他のメンバーとの列の差は歴然だった。
早見の脱退後、ももクロは精神的支柱の彼女が抜けた穴を5人全員で埋めようと、それぞれがたくましく自立し、夢だった「NHK紅白歌合戦」に翌12年に初出場を果たした。彼女たちの存在はどんどん大きなものになっていった。
「ももクロを辞めるときも、絶対に6人でやっていたほうが楽だってわかっていたんです。5人の仲間の支えがあるから。それにももいろクローバーとして有名になってから、自分の進みたい道に進んだほうが楽だってこともわかっていた」(太田出版「Quick Japan」vol.106=13年2月9日発売)
そう語る早見だったが、自分にウソはつけなかった。中途半端にアイドルを続けるのは、メンバーにもファンにも自分にも失礼だと思ったのだろう。だからこそ、今でも何のわだかまりもなく旧友たちのライブに足を運び、その背中を見て活力を得ることができている。