「新聞記者」が発端…「宮本から君へ」助成金の忖度不交付

公開日: 更新日:

発端は映画「新聞記者」の大ヒット

「すべての発端は、加計学園問題をモデルにした映画『新聞記者』が興収ベストテンに食い込む大ヒットをしたことです。これまで、この手のガチ政府批判映画が国内で話題になったことはありませんでした。さらに安倍首相を揶揄したとおぼしき『記憶にございません!』も3週連続1位を達成。テレビやマスコミの“アンダーコントロール”に自信を持つ官邸も、よもや映画界からの“反乱”は想定外で、震撼したのではないでしょうか。今回助成金を取り消された『宮本から君へ』は『新聞記者』と同じ河村光庸プロデューサーによる作品で、彼は映画の宣伝であちこちで政治批判を繰り広げている。そのため“狙い撃ち”されたのだろうと、もっぱらの評判です」

 新井英樹による90年代の人気コミックを、昨年のTVドラマ化に続いて同じスタッフ、キャストで映画化。池松壮亮演じる不器用ながら正義感の強い営業マンが、最愛の女性・靖子(蒼井優)を目の前でレイプした巨漢の男と決闘し、真実の愛を証明しようとする熱い人間ドラマだ。

「ヌードまで披露した蒼井優や、ノースタントで非常階段にぶら下がる超危険なアクションをこなした池松壮亮など、役者と真利子哲也監督の本気が伝わる久々の日本映画で、誰が見ても公的助成にふさわしい品質です。レイプ犯の父親役で類いまれな存在感を示したピエール瀧の麻薬逮捕事件にしても、発覚したのは映画完成後の話。だいたいR15+指定で子供はもともと見られないので、“国が薬物使用を容認”したと誤解される、などという文化庁の不交付理由は言いがかりに近い」(前田氏)

 嫌がらせのような助成金不交付報道で、公開1カ月を過ぎた今も都内の映画館は満員御礼。結果的には1000万円分以上の話題性と注目を集めた格好だ。いくら政権に忖度しても、もはや潮目は変わりつつある。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    俳優・山口馬木也さん「藤田まことさんは『飲め、飲め』と息子のようにかわいがってくれた」

  2. 2

    前代未聞の壮絶不倫・当事者のひとりがまたも“謎の欠場”…関係者が語った「心配な変化」とは???

  3. 3

    テレ朝ナスD“経費横領&パワハラ処分”に「見せしめ」の声も…家族団らん投稿の美人料理家妻に同情集まる

  4. 4

    自信なくされたら困るから? 巨人・田中将大がカブス戦登板「緊急回避」の裏側

  5. 5

    東原亜希の“黒帯バスローブ密会”乗り越えた「許す力」は佐々木希以上? 経済的自立も目指す強心臓とたくましさ

  1. 6

    料理研究家の森崎友紀 “本業”専念も恋愛は「年も年なので」

  2. 7

    兵庫県パワハラ知事に残った選択肢は「議会解散」のみ…多数派工作で延命図るか?味方は“情報漏洩3人組”のみ

  3. 8

    あす旧統一教会に解散命令か? N国党に急接近の不気味、タダでは転ばない悪あがき

  4. 9

    巨人の“アキレス腱”は絶対的セットアッパーが使えないこと…新助っ人キャベッジで外国人枠「満員」

  5. 10

    佐々木希が「芸能人格付けチェック」で"地雷キャラ"といじられ…夫・渡部建を捨てないもう1つの理由