解せない映画「パラサイト」と文明の残滓を求めて旅に出た
アカデミー賞の作品賞や監督賞に韓国映画の「パラサイト」が選ばれたとか。よっぽど、アメリカ本国の映画がつまらなくなったのかと思ったが、でも、我らは全然、ピンとこないのだ。ひと月前、劇場で見たのは見たが、架空の格差社会を無理やり描いてる感じで、それの何がオモロイのか、こっちが鈍感不感症なのか、貧乏家族とIT長者家族が急に殺し合って終わるだけで笑いも悲しみもなく爽快感も何もなかった。これでまた興行界だけはロングランでウハウハなんだろが……。解せない映画に迎合する気はない。
久しぶりに旅に出た。東京で筑豊出身のソングライターと知り合い、彼の地元、筑豊の田川市に出かけたのだ。元は炭鉱で栄えた地。高倉健や井上陽水が生まれ育った町もあり、五木寛之の「青春の門」でも有名な所だが、我らは「戦後昭和」の時代の面影、いや文明の残滓がどこかにうずくまってないか、次作シナリオハントも兼ねて散策したかったからだ。