“新型コロナ疲れ”でファン増加「やすらぎの刻」ロスを懸念
■ドラマと現実が交錯する感覚
前作同様、「郷」の老人たちは次々に小さな事件を起こす。認知症、にせ札疑惑、老いらくの恋、過去の恋愛沙汰、薬物問題、前科のある人たちのその後、生前葬等々、芸能人でなくても身近にある問題で、見ている中高年には共感しやすいだろう。笹野演じる蒟蒻亭乙葉が入居者と句会を催し、「老人あるある」が反映された句が紹介されたり、施設でやっている体操を「やすらぎ体操第二」と称して出演者で体操している様子をYouTubeで動画公開したり、様々な遊び要素もあり、飽きさせない工夫が見られる。
新しい顔ぶれの中では、いしだあゆみが、倉本聰脚本のドラマ「北の国から」で親子役で共演した吉岡秀隆(49)と、17年ぶりに再び親子役で共演する長尺シーンを見たが、ファンにとっては感動の名シーンだった。
新しい「道」パートのほうは、山梨県の山間の村を舞台に、昭和から平成を生き抜いた、無名の夫婦の一代記を綴っている。昭和編の夫婦役に風間俊介(36)と清野菜名(25)、平成編は橋爪功と風吹ジュン(67)が演じている。主要人物以外の出演者は応募総数5000人ほどのオーディションから選ばれ、倉本聡のワークショップに参加して鍛えられたそうだ。ほかのドラマでは見かけないフレッシュな顔ぶれが集まっている。