悲劇の朝ドラ「スカーレット」白血病に倒れた武志の結末は
■ドラマのモデルになった実在の人物は…
しかし、神山さんの人生はもっと苛烈だった。女性陶芸家として成功した神山さんは、夫の嫉妬によって暴力を振るわれるようになり、窯への立ち入りさえ禁止されてしまう。結局、夫は数年にわたり不倫関係にあった弟子の女性と家を出て行ってしまい、絶望した神山さんは自殺まで考えるようになった。そんな彼女を救ったのが息子の賢一さんだった。
<お母さん、お父さんのことは忘れて良い仕事をしてほしい>
息子から言われた一言で神山さんは離婚を決意。そして、賢一さんが拾ってきた古代の自然釉の陶器の破片(ドラマでは、子供時代の喜美子が拾ってくる)により、自然釉に魅入られ、研究に没頭。しかし、全てのお金を研究につぎ込んでしまい、自然釉の作品作りに成功するまで、道に生えている草を食べるほど困窮したという。実は、ドラマ以上に母と息子の結びつきは強く、この親子の物語は05年公開の映画「火火」(高橋伴明監督)でも描かれている。
それでは、白血病となった賢一氏はどのような最期を迎えたのか?