俳優危機訴えた西田敏行 病にも負けず「不撓不屈」の原点
新型コロナウイルスによるイベント中止などで収入が激減し、苦しむ俳優仲間のために立ち上がった西田敏行(72)が話題である。約2600人の俳優からなる協同組合「日本俳優連合」理事長として、「どうか雇用・非雇用の別のないご対応で、文化と芸能界を支える俳優へご配慮下さいますよう」などと書いた要望書を政府に出したのだ。
安倍政府のコロナ緊急対策に盛り込まれている助成金は、仕事を休まざるを得なくなったフリーランスに対し、1日一律4100円を給付としている。これは正規・非正規雇用者の8330円の半額で、「合理性を欠いている」と国会でも追及している問題だ。とりわけ俳優の場合、ほとんどが個人事業主、つまりフリーランスの上、イベント中止で仕事がなくなっても、キャンセル料の話し合いにすら至らないという。
コロナ禍で困窮しているのは俳優だけじゃないが、「私たちにとっては仕事と収入の双方が失われ、生きる危機に瀕する事態」と窮状を訴えた西田が、その業界のトップとして、後輩や仲間たちから賛同を集めているのも当然だろう。
映画「学校」「釣りバカ日誌」シリーズなど、人情味のある教師やサラリーマン役で知られる西田だが、その素顔は「生まれ持っての熱血漢」(ベテラン演劇評論家)で、仕事の現場のみならず、物申してきた。