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塩澤実信ノンフィクション作家

長野県生まれ。双葉社取締役編集局長などを歴任。レコード大賞元審査員。「昭和の流行歌物語」「昭和歌謡 100名曲」など著書多数。

藤圭子「新宿の女」は薄幸のイメージ戦略がズバリ当たった

公開日: 更新日:

 ♪十五、十六、十七と
  私の人生暗かった
  過去はどんなに暗くとも
  夢は夜ひらく


 この歌詞などは、まさにイメージを藤圭子の生い立ちに合わせたものだった。

 薄幸な生い立ちが、そのまま歌になり、イメージになり、大成功した藤圭子ではあるが、彼女は果たして、いつ幸せになれたのだろうか。

 前川清との電撃結婚と電撃離婚、そして再婚で宇多田ヒカルという最高の子宝にも恵まれたが、なぜか、その後の人生では、明るい話は伝わってこなかった。

 薄幸を、演じただけでなく、地で行ってしまった藤圭子。新宿で花開き、そして最後も新宿で散ってしまった。

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