このままだと新宿裏通りに落語家の“立ちんぼ”出現するかも
先ほど内幸町ホールで年4回開催している独演会の、予定していた5月29日の会が会場の5月いっぱいの閉館のため中止が決まり、これで7月下旬まで落語の仕事がなくなった三遊亭鬼丸です。
いやぁどうなるんですかね、これから先。このままいつまでも落語をお客さまの前で出来ないのでしょうか。テレワーク落語会も開催されておりますが、やはり元来人気のある上級芸人にお声がかかってお客さんも大勢見てくれることでギャラが発生するわけですよ。ネット事情に疎かったり、名前が知れてなかったり、集客に苦労していた芸人たちはこの状況にお手上げです。このままあと3カ月だの半年先まで自粛モードの厳戒態勢だったりすると、当然その間は寄席も営業できないわけで、となると落語でしか食えない芸人たちはいろいろ考えなきゃいけません。
ネットにうまくつなぐことができない年配の落語ファンにはデリバリー落語でしょうか。ウーバースマイルとか名乗ってお客のご自宅まで伺い、2メートル離れながら落語を演じることで収入を得るんでしょう。でも厳戒態勢のなか自宅で笑いのために落語家を招くことが不謹慎だと家族に批判されるかもしれません。そんなお客のために、立ちんぼ落語家が出てくるかもしれません。新宿のハイジア通りに集まる立ちんぼ落語家たち。そこに集まる落語ファンたち。値段交渉からネタ交渉が始まり「追加で2000円払うから文七元結聴かせてよ」「芝浜できるけどどう?」なんてやりとりになるかもね。そうなると安く大勢を聴きたい落語ファンは、大塚や巣鴨に行って「ピチピチ若手落語家3回転3000円」なんて看板が立ってる店に入って、入り口で「日刊ゲンダイ見ました」と言えば2000円になったりして。なのに、みっちり古典落語って言うから期待して入ったのに、小噺2席しかやらねぇなんてボッタクリじゃねぇか! なんて文句言うお客も出てきたりして。
書いてて何が言いたいのかよくわかんないけど、とにかく一日も早く普通にお客さんの前で落語をやりたいなぁってお話ですよ。