ジャニーズ損失は数百億円 エンタメ界は消耗戦に突入する
しかし、ここに問題があって、グッズはツアーが始まる前に大量に発注されている。毎年、新しいグッズを用意するし、中にはツアー名や「2020」と書かれたグッズもある。現状が続けば、このグッズはまったく使えないことになる。ちょうど公益財団法人「東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会」がオフィシャルショップを北は北海道から南は沖縄まで約100店舗運営しているが、どの店舗も客の姿を見ることはない。その損失は誰かが補填してくれるのだろうが、この東京オリンピックじゃあるまいし、アーティストが2021年開催のツアーで「2020」というロゴ商品を売るわけにもいかないだろう。莫大な損害が出てしまうとなると、自転車操業的に運営している小さな事務所は存続の危機になる。ジャニーズのように体力のあるところは大丈夫だろうが、規模の小さな事務所は、アーティストが移籍し、「会社は倒産」ということになってもおかしくない。
木村拓哉(47)が手洗いの仕方を動画で発信して話題になったが、彼以外にもさまざまなアーティストが動画で活動を続けている。前出のジャニーズ関係者は「今はSNSしかないからね。でも、それはファンの期待をつないでおくということであって、利益を得るということではない」と続けた。コロナ終息までの消耗戦に耐えうるのか。いずれにせよ、この状態が続けば音楽業界の再編は避けられない。