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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。「芸能界」というビジネスは、いかにして始まったのか。貴重な証言を収録した「芸能界誕生」(新潮新書)。伝説の番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」を基に描く青春群像ノンフィクションノベル「史上最大の木曜日 クイズっ子たちの青春記」(双葉社)。2つの最新著が絶賛発売中!

全員大好きな「友達」から千鳥・大悟が授かった極上の一言

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 実際に一緒にコントをして大きな影響も受けた。「志村枠」の番組である時、ミニスカートの女性のパンツを志村と大悟がかがんで必死にのぞこうとするコントをしたという。オチは鼻血を流す2人の顔のアップ。大悟はそこで目いっぱいスケベそうな顔をした。

 だが、志村は「スンとした」真面目な表情。

「(正解は)こっちだった。本当のスケべは自分が鼻血を流したことなんて気付いてないわけ。芝居としては真剣にパンティーを見たい顔をしてないといけない。『勉強になる!』」(テレビ朝日「テレビ千鳥」19年8月12日)と。

「結局、わしらって、バリバリ中学生のときにダウンタウンさん見てるから、お笑いの教科書でいうと10ページ目から始めちゃってんのよ。実は20年、お笑いの1ページ目を誰もやらずに育ってきたわけ。で、わしは芸人20年やって、その1ページ目に触れる時が来たわけよ」(同前)

 大悟は、志村を「ちっちゃい子から、わしより年上の人まで、たぶん全員子どものころに笑かしてもろうてるやん。どっかで1回大好きになってる人」(同前)と評す。

 そんな志村に晩年、大悟は溺愛された。ある日、一緒に歩いているとパッと大悟の方に振り返り志村は言ったという。

「振り向いて、おまえがいるとうれしいんだよな」(同前)

 大悟は志村の最後の“マブダチ”だったのだ。

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