人種差別という病巣…アメリカは少しも過去に学んでいない
長身の黒人俳優シドニー・ポワチエが扮するエリート刑事がクールに決めたスーツ姿で田舎駅に降り立つ。流れる主題歌はクインシー・ジョーンズ作曲、レイ・チャールズの「イン・ザ・ヒート・オブ・ザ・ナイト」だ。もうこれだけで南部の空気にのみこまれた。道端で死体が発見され、サングラスでガムを噛む白人の警察署長が現れる。名優ロッド・スタイガーはこれでアカデミー賞をもらった。黒人刑事と白人署長はいがみ合いながら一緒に捜査するうち、気を許し合う。別れ際、署長が「元気でな」とほほ笑むと、刑事も笑みを返す。心に刻まれたラストシーンだ。
黒人を殺したあの白人警官たちは、こんな映画は知らないのかな。どんな学校で誰に教育を受けてきたんだろうか。