映画「ミッドウェイ」製作費“チャイナマネー”頼りの裏事情
コロナ禍でアメリカ映画界が製作・上映とも長期間ストップしていた影響で、日本でもハリウッドらしい大作映画の公開が枯渇気味だ。そんな中、「インデペンデンス・デイ」(96年)、「2012」(09年)などのヒットメーカー、ローランド・エメリッヒ監督の新作「ミッドウェイ」が日本公開され、トップ10に食い込む健闘を見せている。
ミッドウェー海戦といえば、太平洋戦争の命運を分けた、日本にとっても重要な史実。映画批評家の前田有一氏がこう語る。
「近年あまりない艦隊同士の総力戦となったこの海戦は、日本にとって悲劇であると同時に、映画的な見せ場とドラマに満ちています。76年のチャールトン・ヘストン&三船敏郎出演の同名作品はじめ、これまで何度も映画化されましたが、さすが120億円を投じた現代の映画らしく、海戦シーンは過去最大級のド迫力。特に、急降下爆撃を試みる戦闘機に寄り添うような構図や激しいカメラワークは、CG時代でなければ不可能な演出。中高年男性が楽しめる大作洋画が最近なかったこともあり、人気が出るのもわかります」