立川談志師匠の「お別れ会」で殿がポツリともらした一言
ちなみに、師匠はアルコールは少々たしなむ程度だったので、決して前夜泥酔していたなんてことは絶対にないです。ま、そんなエピソードをこの先数回にわけて紹介していこうと思うが(志の輔が俺の弟子として入門して来るなんてのもあるので、乞うご期待を!!)。
2011年11月21日に死去した立川談志お別れの会がその年の12月21日にニューオータニにて1000人以上もの人々が集まり、行われたのだった。当時、東京都知事であった石原慎太郎氏の弔辞の言葉「あばよー!」は翌日の新聞に大きく躍った。
式の後半に来る手はずになっていたたけしさんを俺はホテルの入り口で待ち、そのまま無言で祭壇に向かい、並んで手を合わせた……。どーしても師匠の遺影に目を合わせられなかった……(俺、師匠の弟子なのにたけしさんばかり好きになっちゃって……スミマセン……)、その時「バカ野郎、たけしに迷惑かけるなよ!」の師匠の声が聞こえた……気がしたのだった。
たけしさんは終始無言だった……ただ車に乗り込むほんの寸前に「盛大だったなあ……俺の時も人が来てくれるかなあ……」とポツリと想像もしていなかった言葉に……間、間、間、そして蚊の鳴くような声でしぼり出したのは「と、殿は死にません……」。たけしさんを乗せた車の後部座席の扉がバタンと閉まる音と同時に俺の目からはとめどもなく涙があふれ出した……。