岡村隆史が最も面白くなるのは傍らで相方が笑っている時
そんな岡村の“カッコつけ”を笑いに変えるのが、ニヤニヤと笑みを浮かべて岡村を眺める矢部だ。矢部は散々泳がした揚げ句、「岡村さん、何してはるんですか?」と最後の最後の一言でひっくり返す。だから、岡村の“カッコつけ”が大ボケとなり、オチになっていく。つまり、矢部が笑うということがツッコミとなり、岡村の笑いにつながっているのだ。
しかし、冒頭の言葉の後、矢部が「そうね。笑わへんようになった時期があるからね」と返したように、コンビ間の関係性が決して良くなかった時期もある。それは、岡村が昨年自身のラジオ番組で“失言”をした直後の放送で、矢部が駆け付け“公開説教”をし、「あんまりいい感じじゃないやん、ナインティナイン」(ニッポン放送「岡村隆史のオールナイトニッポン」20年4月30日)と語っていたことでも、明らかだ。
けれど、この“事件”をきっかけに矢部がラジオに復帰。矢部が「昔の養成所時代のころの感じ」(とうこう・あい「QJWeb」20年11月11日)と語るような関係性に戻り、普通の話ができるようになったという。
さらに岡村が結婚をして「新しい景色」が見えるようにもなったナインティナイン。岡村は芸人の本能として理解している。自分が最も面白く見えるのは、傍らで相方が笑っている時であることを。ならば、その関係性の良さの分だけ、ナインティナインは一層面白くなるということだ。