高橋伴明監督「痛くない死に方」終末医療の現実と理想の死

公開日: 更新日:

 ――病院のベッドで管だらけにされ、もがき苦しんで「溺れ死ぬ」より天命に従い「枯れ死ぬ」ことを選ぶと。

「はい。宇崎竜童さんに演じていただいたステージ4の肝臓がんを患った登場人物には、いまの自分の理想を投影させてもらってます。末期になっても、川柳を詠んだりして、たまにはうまい酒をおちょこで飲み、一服しちゃったりもする。死が怖くないというと嘘になるけど、痛みを軽減してくれる薬を服用してもらい、弱いところは頼って天命に従う。在宅医や妻に自分の意思を尊重してもらい、尊厳死を遂げていると思います」

 ――奥さま(女優の高橋恵子)と最期の迎え方についてお話ししたりしていますか?

「ええ。夫婦で尊厳死協会に入会してますし、過剰な延命はしなくていいと常々、言ってます。映画でも描きましたが、延命しないと言うと、どこからか身内より往々にして遠い親戚が出てきて、人でなしだというような非難やけちをつけてくるようですけど、そうしたやからにもきちんと対応してくれるんじゃないかしら。もちろん逆の立場になれば、こっちがその役割を全うするつもりです」

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動