「おじ猫」涙のワケは草刈正雄の含みと余白を持たせた演技
毎週、なぜか気づいたら泣いてしまうと話題のドラマ「おじさまと猫」(テレビ東京系、水曜深夜)。妻に先立たれたダンディーな紳士・神田冬樹と、ペットショップで売れ残っていた猫・ふくまるの心温まる癒やしの物語だ。ふくまるは本物の猫ではなく、ぬいぐるみを使っているため、当初は不安視する声もあったが、フタを開けてみると、違和感は一切ない。愛らしい“マスコットさ”が絶妙に表現されている。
その魅力を最大限に引き出しているのが、神田冬樹を演じる草刈正雄(68)だ。ぬいぐるみの猫と芝居をして、視聴者を自然に泣かせることができる俳優はそうはいないだろう。ネット上の視聴者のコメントを見ると、<ふくまると同じくらい可愛い><草刈正雄さんってやっぱすごい役者さんなんだなぁって改めて実感する>と、同じように感じている人もいるようだ。
草刈が改めて役者としての独自性を発揮したのが16年放送のNHK大河ドラマ「真田丸」だろう。堺雅人が演じる真田信繁(幸村)の父・昌幸を演じた。最近発表された「あなたが選ぶ大河ドラマ ベスト1は?」(文春オンライン調べ、2月7日配信)でも「真田丸」は1位を獲得。「えらいことになった!」「まったくわからん!」といった昌幸のセリフや演技が心に残っているという人が多いようだ。