深夜の「30分ドラマ」連発 一歩先を行くテレビ東京の狙い
いくら何でもやり過ぎじゃないの――思わずそう言ってしまうのが、テレビ東京系の深夜の「30分ドラマ」乱打だ。なにしろ、再放送も含めると、1週間に地上波・BS合わせて17本が、毎夜午前0時すぎから次々と放送され、水曜深夜などはミニドラマもあって、計6本とてんこ盛りなのである。
冬クールで話題なのは、激辛料理を通じて仕事と人生を学んでいく営業マンの「ゲキカラドウ」、バラエティーから派生した「あなた犯人じゃありません」、こてこての大阪ノリの「京阪沿線物語」だろうか。遠藤憲一、松重豊ら、いまや主演級の俳優が顔を揃える「バイプレイヤーズ」は高い評価を得て、これが第3期だ。しかも、今期は名脇役、くせ者役者らが100人以上も出演する大盤振る舞い。
箱入りお嬢さまの学級委員長が、はみ出し同級生の作るどんぶりにハマる「どんぶり委員長」、女子高生の一人キャンプ「ゆるキャン△」も、好評だったための再放送である。
いずれもコメディーなのだけれど、ライバル局をパロったりとひねりも効いていて、どうせ深夜放送なんだからという手抜きがない。「おじさまと猫」は草刈正雄を主演に起用するなど、カネもかけている。テレ東は深夜30分ドラマを、本気も本気、大真面目に作っているのだ。だったら、もっと早い時間に放送してもよさそうなものなのに、なぜかそうはしない。