櫻井翔&広瀬すず「ネメシス」は“お金のかかったコント”か
■違和感しか残らない“誰得”演出
セットも豪華で、映像の質感もまさに”映画”のようだ。それなのに繰り広げられる展開がコミカルで、80年代のドラマ「あぶない刑事」のパロディだったり、道具屋を笑わせるシーンが結構長めに続いたり、全体的に”お金のかかったコント”のような印象を受けてしまう。
推理のトリックも技巧を凝らしたとは言い難い子供騙しのようなものが続き、解決の仕方も第1話では助手のアンナが風真にテレビのADのようにカンペを書いて伝えるという「劣化版名探偵コナン」のような推理シーンが展開される。また風真がラップを披露するシーンが2話に登場したが、探偵がラップをしているシーンは違和感しかない。喜ぶのは櫻井翔のファンだけで、純粋にドラマを楽しみたいと思っている人を置いてけぼりにしているのではないか。
もちろん、いずれもキャストのせいではない。ポテンシャルの高い俳優を集めているのにもかかわらず「誰得」な演出が続き、ミステリーなのかコメディーなのかシリアスなのか、どの要素も噛み合っておらず、チグハグな印象を与える脚本や構成が純粋に視聴率低下の原因だと感じる。