映画「王の願い ハングルの始まり」に降りかかった災難
そのため特権階級層はハングルの公布後も漢字を使用、新しい文字はなかなか普及せず、公用文字として使用されるまでに400年以上も要している。
■ヒロイン自殺、歴史歪曲騒動
そのハングル創製の過程を描いた映画「王の願い ハングルの始まり」が25日から日本で公開される。「パラサイト」の主演俳優ソン・ガンホが世宗大王役を演じ、新しい文字と向き合う。
韓国では2019年に公開されたが、製作者サイドが意図しない形で注目を浴びた。王后役を演じた女優チョン・ミソンが公開直前に自ら命を絶ち、人々に衝撃を与えたのだ。普段から治療していたうつ病による自殺と報じられたが、人気女優の突然の死に、ソン・ガンホをはじめとするキャストも驚きを隠せなかった。
公開後は歴史歪曲論争にも巻き込まれる。映画で描かれたのは文字が生み出される過程で、特に歴史に埋もれた人々の物語だった。だが、僧侶がハングルを創製したかのようなストーリーとなり、これが一部の観客を怒らせた。しまいには監督が「世宗大王を貶める意図はなかった」と釈明する事態にまで発展している。