人気へアメークEita氏が明かす C.ドヌーヴがグリーンカーペットに激怒した理由
カトリーヌ・ドヌーブをはじめ、大女優のへアメークを手がけるEitaが「劇的変身!ビフォーアフター 一番キレイな自分が即できる 神ワザメイク教室」(学研プラス)を出版。これまで日本人で一番多くオスカー俳優のヘアメークを手がけるテクニックをプチプラコスメで再現、しかも10歳若返ると話題だ。「メークはインテリジェンス」と語るEitaを直撃した。
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美容学校卒業後、すぐに渡仏。パリコレのメゾンなどでキャリアをスタートした。大女優たちから得た気づきとは?
「ジェーン・バーキンのしわくちゃな笑顔を見て、幸せな時間を過ごしてつくられたシワがあることを知ったのは感動的でした。それまで人前に出る選ばれた方は美容医療もすべきだと思っていましたが、年齢にあらがうだけが美ではないと学びました」
女優らしさにはさまざまなルールもあるとか。
「女優さんの場合“誰もが本人だとわかる”ように仕上げることがマストです。ユマ・サーマンのメークを担当した際、ラグジュアリーなドレスだったのでつけまつ毛をつけていいかと確認し、まつ毛をつけたらユマ・サーマンではなくなってしまい、私はまつ毛を外しました。すると彼女は『でしょ?』とニッコリ。私が試されたのかもしれません。テイラー・スウィフトの場合はアイラインが特徴的なので、ラインを強く目尻を美しく描くことに注力しました。また、口紅の色だけは自分の色を持っているという方もいます。岸恵子さんはリップだけはセルフで『リップは自分でやらせてね』とササッと塗ると“岸恵子”になるんです」
カトリーヌ・ドヌーブとはもう長年の間柄だ。
「ドヌーブ含め大女優は今自分がどう見えるかがわかっていて、非常にロジカルです。実は12年の東京国際映画祭でグリーンカーペットだったことに怒ったことがあったのですが『なぜレッドカーペットなのか全くわかっていない。赤は女優が一番美しく見えるからなのよ!』と理由を教えて下さいました。また映画のインタビューでセットを見るなり控室に戻ってしまったこともありました。理由は明確で、照明が十分にまわっておらず、これでは美しく映らないし、写真チェックで自分が選ぶ写真には仕上がらない、つまり時間のムダだということなのです。それを私が日本のスタッフに説明すると皆納得されました。大女優こそ感情的な行動はありません。理由があるのです」
プチプラコスメも使用
大女優たちを手がけたメークの極意とは?
「キレイになれるかどうかは化粧品の値段ではなく、細部に気づけるかどうか。だから本の中では1000円台のプチプラコスメも使っています。パリジェンヌが出がけにひとつアイテムを外して抜け感をつくるように、すべての手法を知った上で、あえて手抜き部分をつくると美しさにインテリジェンスが生まれ、10歳若返るメークも可能です。ぜひトライしてみてください」
(聞き手=岩渕景子/日刊ゲンダイ)
▽1990年に渡仏、パリコレの一流メゾンでヘアメークのチーフ、ファッション誌の表紙などパリの第一線で活躍。現在は日本をベースに活動し、「林先生の初耳学」にアンミカのパリコレ学の講師として出演も。