ロックとともに50年…これからもロックを愛し続ける
コロナ禍の2020年6月から約1年半続けてきた連載も今回で最終回となった。私はこの連載を通して一体、何が言いたかったのだろうか。つらつら顧みるに忸怩たる思いばかりが頭をよぎる。日本のロックを変えた表現者たちを思うと、私自身の失敗と表裏一体をなす。
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今でも悔やまれる痛恨事は過去に3度あった。
まずは、下北沢ロフトの店員バンドだったサザンオールスターズだ。
あんなに身近にいたバンドだったのに桑田佳祐さんの圧倒的な才能を見抜けず、私の目には「観客動員の少な過ぎるバンド」としか映らず、無視してしまっていたのだ。
まさかサザンが国民的バンドになるとは……絶句するしかなかった。
2番目に挙げられるのが、76年当時まだマイナーな存在でしかなかったライブハウスから「新人を発掘しよう」と大手レコード会社と組んで「ロフト・レーベル」をブチ上げ、あの竹内まりやさんをデビューさせた。