阿佐ヶ谷姉妹のライフスタイルに学ぶこと “おひとりさま”同士の疑似家族のモデルケースに
たとえば、ドラマと同タイトルのエッセーにある「シチュー事件」。皿に料理をよそってあげるタイプの江里子がそうしなかった美穂にちょっとした失望を感じ、くよくよしてしまう。しかし、自分の「当たり前」のフィルターを通して相手を見ていたことに気づく。そうすると、自分の好みの料理を作ってくれただけで、涙が出るほどうれしかったりする。
■エッセーは10万部超
同居していると、ちょっとしたことで、ぶつかったりするものだが、ほんのささいなことでも、見方を変えると不平不満だったことがありがたいと思えるというのだ。エッセーは10万部を超えるヒットらしい。
ドラマでは「姉」の江里子を木村多江、「妹」の美穂を安藤玉恵が演じ、それが似ていると早くも話題に。
木村は「日常の、何でもないことでも、おふたりだと何だかおかしいってなる、あの感じが出せたら」と一部インタビューで語り、楽しそうだ。
ちなみに、阿佐ヶ谷姉妹は「いま住んでいるアパートを“姉妹”で買い取って、母や独り者の友だちと住みたい」という、ひそかな夢を抱いているのだという。成長過程を終えた令和の日本社会が学ぶべきは姉妹の前向きで柔軟なライフスタイルかもしれない。