TikTokで話題の“歌ウマおじさん”デュオ「CHOPSTICKS」を直撃!2人合わせて111歳の現在地
若者たちがダンス動画などをアップしているSNS「TikTok」で、スキンヘッドのおじさん2人が、突如、超絶ハモリで懐かしのメロディーを歌いだす動画が話題だ。ユニット名は「CHOPSTICKS(チョップスティックス)」。並んで立つと“箸”のようなこの2人は一体!?
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――ユニット形成のきっかけは?
新沢(写真左) 僕はもともと子ども向けの音楽を作っていたんです。木山さんは、「紅白歌合戦」にも出場されている方ですが、僕の作った「にじ」をライブで歌ってくださっていたんですね。それで一度ご挨拶させていただきたいと……。
木山(写真右) レコーディング中のスタジオに来てくださって。そこでディレクターさんが「一緒に歌ってみてくださいよ」って。歌ってみたらなかなかよくって。
新沢 「一度2人を並べてみたかったんです」って。それで並ぶとお箸みたいということで、「CHOPSTICKS」という名前になりました。
――「TikTok」で“歌ウマおじさん”として話題となり、フォロワー数も1万人に達しています。
新沢 すごく反響があったので正直驚きました。“小峠かと思った”とコメントがあったりして。
木山 僕も4番目の息子(中3)から「父さん、『TikTok』やってるの?」と言われたりして。コメント欄で“世界で一番平和な動画”なんて書いていただいたりして、不思議な感じですね。
この年になってユニットを組むとは人生って面白いなって…
――一見、こわもてのおじさん2人が、「赤いスイートピー」や「見上げてごらん夜の星を」「卒業写真」を優しい声で楽しそうに歌っているのは思わず引き込まれます。ハイトーンのユニゾンやハモリも気持ちいいです。
新沢 僕は木山さんの美声の邪魔をしないように気をつけていますね。僕自身、木山さんの声の“癒やし成分”を間近で聴けて幸せを感じながら歌っています。
木山 アルバムでは、ソロでは歌ってこなかった「田園」とか「あ~よかった」など、アップテンポな曲も歌いましたが、新たな歌の世界が広がった感じでしたね。「待つわ」とか女性の歌は、男性の声っぽくならないように、中性的に歌うよう心がけていました。
新沢 “ヤカラ感”が出ないようにね。
木山 僕も黙っているとコワイなんて言われたこともありましたからね(笑い)。
――オンラインライブ中に募集したキャッチコピーでは「令和のライト兄弟」なんてのもあったそうで。
木山 うまいこと言うな~と思いましたよ。
新沢 でも、この年(58歳)になって、こうして新たにユニットを組むことになるなんて、人生って本当に面白いなって思いますよ。2人合わせて111歳ですからね。「脳トレ」にもなるし。
木山 僕も「どんなことがあっても強く生きてれば大丈夫だよ」と息子たちには話してきましたけど、コロナ禍で音楽活動がうまくいかない中、こんなことって本当にあるんだな、と。今回のアルバムはなかなかチャレンジャーだなと思いますけど(笑い)、とてもいい内容だと思うので、ぜひ聴いていただきたいですね。
(聞き手=平川隆一/日刊ゲンダイ)
▽木山裕策(きやま・ゆうさく=53歳) 2005年、甲状腺がんを克服したことを機に、長年の夢だった歌手に挑戦することを決意。会社員を続けながら、2008年「home」でメジャーデビュー。同年、「NHK紅白歌合戦」に初出場。4人の息子と妻の6人家族。
▽新沢としひこ(しんざわ・としひこ=58歳)シンガー・ソングライター。こどもの歌研究所所長。日本童謡協会理事。元保育士。子どもの歌から大人向けのポップスまで、幅広く作品を作り続ける。代表作に「世界中のこどもたちが」「ともだちになるために」「にじ」などがある。
■「箸やすめ~青春・卒業・恋 シャイニー&ハーモニー」
「赤いスイートピー」から、「待つわ」「卒業写真」「田園」まで、昭和・平成の名曲をしっとり、時にパワフルに歌い上げる。(キングレコードから発売中)