米NYの1カ月滞在公演も頓挫 専門学校で講師の仕事をしているが…
荒井さんが活動の拠点とするライブハウスは地下にあることが多く、音漏れがしないように密閉度が高い。規模も大きくないため、密にならないように客席の間隔を空けてしまうと、入場者数は限られてしまう。
客をたくさん集めたいけど、あまり来られると入場できない。ましてやPCR検査やワクチン接種を入場の条件にしてしまうと、対象者は絞られライブを開催しても赤字になってしまう可能性がある。そんなジレンマの中、荒井さんの生活の糧は、専門学校での講師の仕事に頼らざるを得ないのだという。
全国料理学校協会の助教員の資格があり、留学生に日本で働くためのマナーや調理の世界で働くためのルール、日本文化を教えているのだ。
しかし、留学生事情にもコロナ禍の影響が影を落としている。
「うちの学校には、本来日本語学校に通って、ある程度日本語ができる生徒がほとんどでした。ところが、コロナで入国が制限され、生徒の数も減ってきているようです。タイやベトナム、中国からの留学生が中心で、マレーシア、バングラデシュ、ベネズエラの生徒もいましたが、今では見かけません。このまま入国制限が続けば、講座がどうなるかは不透明ですね」 =つづく
(取材・文=中森勇人)