成田凌「逃亡医F」が1周回って面白い “昭和ノスタルジー”がクセになる
初回放送後、ネット上では〈半世紀上前の米ドラマ『逃亡者』のパクリか?〉〈天才とはいえ船上での手術のありえなさに引いた〉〈成田凌のムダ使い〉などと酷評が多かったが、最近では〈ツッコミどころがありすぎて、むしろ楽しめる〉〈松岡昌宏の過剰な“拓ニイ”が面白くてつい見ちゃう〉なんて声も。
テレビコラムニストの亀井徳明氏は「ネットでは散々な言われようですが、それは織り込み済みでしょう」と、こう続ける。
「リアリティーを無視した強引な展開は、1990年代中盤から2000年代中盤にかけて、ジャニーズアイドルをはじめとする旬の若手をメインに起用して人気があった“日テレ土9”を思い出しました。松岡さんと和田聡宏さんのやり取りもどこか昭和的だし、主人公が手術する時に聴くのも昭和歌謡。エンディングの奥田民生さんの曲もノスタルジックな味わい。桜庭ななみさんや森七菜さんをはじめ“おじさんウケ”するキャスティングから察するに、メインターゲットは40~50代のように思えます」
あるテレビ誌ライターは「プロデューサーのセンスでしょうか、いろいろ惜しいな、もうちょっとうまくやれないかなと思うところも確かにありますが、漫画的に気楽に楽しめばいいドラマだと思いますよ」と話す。
おじさん世代が〈つい見入ってしまう〉〈クセになる〉ことを重視しているので、それがまったく合わない人にはどこが面白いのか分からないのも仕方ない……のかもしれない。