NHK「カムカムエヴリバディ」は素晴らしかった 100年間の伏線は見事だった
毎朝楽しみにしていたNHK朝の連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」が終わってしまった。1人の女性の一生を演るのではなく物語は岡山で生まれたおばぁちゃん(上白石萌音・最後はアメリカに行った森山良子)・大阪でがんばった母(深津絵里)・京都やアメリカの娘(川栄李奈)まで100年続き、見応えがあった。
戦争の頃から現代まで、途中私も子供の頃や青春を過ごした昭和の歌や暮らしぶりも再現され、ややその頃の流行がズレたり、好演していた虚無蔵(松重豊)は一体何歳から何歳? ラストシーンのひなた(川栄)も若すぎるのでは? など変なところも多々あったが、だいたいは面白かった。いや、とても面白かった。あんこもおいしそうだったが100年間のセリフや人のつながり、伏線は見事で、時は流れてもああ、そことそこがつながる? そう来たか? の連発で企画も脚本家も素晴らしかった。
私は尾上菊之助ファンなので銀幕のスター役で安達祐実ちゃんとのコンビも楽しかった。殺陣や所作はもちろん抜群だが、モデルは大先輩・大川橋蔵にしてお墓参りまでして演じたそうで、さすが菊ちゃん。ドラマは1925年の日本でのラジオ放送が始まった日に岡山で生まれたという安子(上白石)の話からスタートし、3世代のヒロインは苦しい時も貧しい時もずっとこのNHKラジオ第1放送で午後6時から15分間(ドラマの中では朝の時もあった)流れる平川唯一さんの「英語会話」と共に英語を勉強したという設定。このラジオ番組は本当の話で、“証城寺の狸囃子”のメロディーに乗せて流れる「カム、カム、エヴリバディ♪」の英語の歌詞のオープニング曲は今回のドラマのタイトルにもなったわけだが、当時の子どもたちの間でも大人気となり国民的愛唱歌だったそうだ。