邦画も洋画も「大人のための良作」がズラリ! いま映画界が中高年層に注目する理由
映画ランキングに異変アリ。いま、日本の映画興行に変化がみられると話題になっている。興収30億円突破も勢いが衰えない「トップガン マーヴェリック」をはじめ、初代ウルトラマンを新解釈で描いた「シン・ウルトラマン」、1979年放映のファーストシリーズ15話を長編化した「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」と、中高年をターゲットにした作品が上位にずらりと並んでいるのだ。
さらには、役所広司主演の時代劇「峠 最後のサムライ」、84年公開のスティーブン・キング原作ホラー映画のリメーク「炎の少女チャーリー」など、この後も同様の話題作が続く。
女性や若者、家族向け作品が主流の近年では珍しいこうした現象について、映画批評家の前田有一氏が解説する。
「コロナ禍の発生により、感染を恐れる中高年のお客さんが激減、各社ともこの層に向けた作品を真っ先に公開延期していました。今は『トップガン』などそうした大作のタマ数が豊富な状況です。トップ10に入る話題作以外にも『太陽とボレロ』のような、しっとりと味わえる大人向けの良作が揃ってきました。再び中高年層を映画館に呼び戻したい業界にとっては大事な局面といえるでしょう」